プレゼンテーション部門
大会出場校(発表順)
ビデオ審査(予選) 審査員総評
はじめに、第10回全国高専英語プレコン・プレゼンテーション部門予選に参加された全ての学生諸君と顧問の先生方に心から敬意を表します。比較的長くこのプレコンに関わっている者として、毎年の学生諸君のパフォーマンスがバラエティに富み、さらにレベルアップしているのを目の当たりにできるのは大きな喜びとなっています。
今年のプレゼンテーション部門には、20チームがエントリーし、そのうち2チームが出場辞退となったものの、18チームがそれぞれ力作を応募して下さいました。プレゼンテーションの技術はもちろんのこと、撮影の技術も進歩し、大変クオリティの高い映像を楽しみつつ、一方でその中から本選出場となる8チームを選ぶという苦しい作業を、3名の審査員が行いました。
以下に、審査の過程で気づいた点や、気になった点を記しておきますので、予選を通過したチームは本選までのブラッシュアップに、残念ながら予選を通過できなかったチームは、次年度に向けての参考にして、また新たなチャレンジに役立てて下さい。
テーマについて
プレゼン作りはまずテーマを決めることから始まります。プレゼンが聴衆の興味関心を引きつけるかどうか、それは発表者がどれだけそのテーマに「思い入れ」があるかで決まります。何かの本に載っていることや、ネット上で話題になっていることをそのまま発表するだけでは、聞く人の興味を引くことはできません。情報そのものは本やネットから引いてもよいのですが、それをどう「料理」するかというところにプレゼンの醍醐味があります。自分たちの経験と比較したり、実際に自分たちの体を使って検証してみたりといった「味付け」をすることによって、「おいしいプレゼン」ができるのです。
英語について
英語についての評価観点は、大きく分けて「英文の正確さ」と「発音(話し方)」の2点です。このうち、前者は原稿の段階で十分に推敲する余裕があると見えて、大きな問題はありませんでした。しかし、後者の発音(アクセント、イントネーションを含む)については、どうしても練習不足の感が否めないケースが多く、せっかく良い内容のプレゼンテーションなのに、はっきりと聞き取れない発音だったり、聞き苦しい話し方だったりして、減点となってしまうチームがありました。
日本人なのですから、ネイティブと同じ発音をしなければいけないということは決してありません。しかし、英語には英語特有の発音や話し方というものがありますから、それを守るようにしましょう。たとえば、子音で終わる単語に母音を付けてしまう(it を「イット」と発音するなど)とか、カタカナ語のまま発音する(スチューデント 等)など、少し気をつければ直ることなので、先生や友達に聞いてもらいながら練習してください。
逆に、発音はとてもうまいのだけれども、それを意識しすぎて早口になってしまい、やはり何を言っているのかわからないという場合もありました。流暢さ(Fluency)というのは、決して「速くしゃべる」ことではありません。ゆっくり、はっきり、それでいて滑らかな言葉の運びができる、そんな話し方を心がけるようにしてください。
ビジュアルについて
どのチームも例外なくパワーポイントなどのスライドを使っており、楽しませてもらいました。スライド作成の技術も多岐にわたっており、その見せ方も様々ですが、やはり上位に入るチームのスライドは「ひと味違う」という印象でした。文字やデータ、写真などを時系列的に見せるだけでは、どうしても単調になってしまいます。同じ素材を使うのでも、動きを加えたり、手作りの文字や画像を入れたりすることで印象が違ってきます。
スライド以外に、発表者自身の動きも大切です。3人が立ったままの状態で話すのと、立つ位置を変えたり、ジェスチャーを交えたりして話すのとでは、これも印象が違います。
チームワークについて
上でも述べたように、3名がどのように動くかということは、プレゼンの印象を左右します。スクリーンの前に3人が立ってそのままの位置で一人一人がしゃべるだけ、というのでは、「チーム」で発表する意味がありません。
同じ理由で、発表内容(原稿)の構成も「チーム」ということを考えて作って欲しいと思います。今回も、発表テーマに関する一連の文章を単純に3分の1ずつに区切り、3人に割り振って順番に話すだけ、という感じのプレゼンが複数見られました。例えばその中の一部を会話にするとか、話す内容によって役割分担をしたりするとか、何らかの工夫が欲しいところです。
以上、簡単ですが、総評とします。なお、チームごとのコメントは、事務局から直接送付される予定です。