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プレゼンテーション部門発表順リスト
ダウンロードはこちらから→h27presentations_list.pdf



ビデオ予選エントリー校(9月11日締切 受付順)
函館高専 (全国大会出場)
香川高専(詫間キャンパス)
津山高専   (出場辞退)
鹿児島高専(全国大会出場)
鈴鹿高専
松江高専
高知高専
福島高専
岐阜高専(全国大会出場)
鶴岡高専
木更津高専  (出場辞退)
呉高専
熊本高専(八代キャンパス)(全国大会出場)
豊田高専
福井高専(全国大会出場)
大分高専(全国大会出場)
石川高専(全国大会出場)
久留米高専   (出場辞退)
東京高専   (出場辞退)
沖縄高専(全国大会出場)
一関高専
サレジオ高専  (出場辞退)
宇部高専

近畿地区予選結果
                         1位        和歌山高専(全国大会出場)
                         2位        奈良高専   (全国大会出場)
                         特別賞  大阪府大高専



予選(ビデオ審査) 審査員総評

 はじめに、第9回全国高専英語プレコン・プレゼンテーション部門に申し込んで下さった全てのチームの学生諸君と顧問の先生方に、心から敬意を表します。プレゼンのテーマを設定し、検証し、導入から展開、結論に至るまでの流れを構成し、それを英文原稿にまとめ、各フレーズの発音・アクセント・イントネーションを確認し、暗記し、ビデオに残す。この行程の一つひとつがどれほど厳しく、困難であるかを、私たち審査員はとてもよく知っています。10分間のビデオには、皆さんが費やした数ヶ月の尊い努力の成果がはっきりと記録されていました。皆さんから送られてきた貴重なビデオを、私たち審査員は時間の許す限り何度も繰り返し再生しながら、丁寧に、慎重に審査させていただきました。できることならば、申し込んで下さった全てのチームの皆さんに、代々木のあのステージで発表していただきたいのですが、様々な都合があって本選出場は10チームと制限せざるを得ません。予選審査にあたって特に気になった点を、以下に列記します。

(1) 今回も、テーマは実に様々でした。高専が直面する問題、地域の産業に関わる問題、高専生としての悩み、日本とアジア諸国の関わり、そして2020年東京オリンピック。それぞれについて高専生としての視点で捉えた分析が見られたことを、高く評価します。ただ、その分析にあたって、ネットや白書に公開されているデータや見解を転載するだけで終わらぬよう注意しましょう。これはここ数年連続して審査員コメントに見られるポイントですが、プレゼンで聞かせていただきたいのは、皆さん自身の分析や意見、提案です。「○○紙にこう書かれている」「○○氏がこう述べた」「ネットでは〜と言われている」では言葉足らずになってしまいます。

(2) ほとんどのチームが、英文をよく推敲し、練習してからビデオ撮影に臨んでいます。発音はもとより、アクセントやイントネーションに気をつけながら丁寧に話してくれているため、論旨の展開を追うことがとても楽でした。

(3) 一方、おそらく時間不足のためでしょうか、原稿のチェックがやや不足していたチームが見られたことは、とても残念でした。例えば、
・主語と述語の対応は合っているか、ねじれていないか。
・いわゆる「カタカナ語」を、チェックせずにそのまま使っていないか。
・時制は合っているか。
・強調したい部分はどこか。どうやって強調するか。
ビデオに録画する前に、これらの基本的な要素をぜひ、チェックして下さい。そして、録画したビデオを提出する前に、ぜひもう一度見直して下さい。

(4) センテンスレベルのイントネーションで、「内容語」と「機能語」の違いをもう少し意識していただければ、さらに伝わりやすい英文になります。内容語(名詞、動詞、形容詞、副詞)ははっきりと発音されますが、機能語(冠詞、助動詞、前置詞)は強調する文脈でない限り弱く発音し、隣接する内容語とリンキングされることがほとんどです。原稿をただ覚えるだけでなく、意味をよく理解して話すことで、内容語と機能語が自然に区別され、オーディエンスにとって分かりやすい英文になります。

(5) いわゆる「カタカナ英語」の発音でも、内容語と機能語の区別ができた話し方になっていれば、聞き取りやすく、伝えようとしている内容がすんなりとオーディエンスに伝わります。逆に、単語レベルで発音が上手だったとしても、センテンスレベルのイントネーションで機能語が不自然に強調されてしまうと、聞きづらく感じてしまうこともあります。例えば、今年度は、不定詞のtoが数字のtwoと同じくらい強く母音も長すぎた発音になっていたチームが目立ちました。

(6) 子音の発音では特に、
「シ (as in she)」と「スィ (as in sea)」の区別と、
「ジ (as in technology)」と「ズィ (as in easy)」の区別が気になりました。

(7) デリバリーの手段として、ジェスチャーはとても効果的ですが、その使い方には工夫が必要です。自分たちのビデオを見て、オーバーアクションになっていないか、あるいは逆に、直立不動で話していないか、チェックを忘れないで下さい。

(8) アイコンタクトもまた、デリバリーの重要なポイントです。オーディエンスに向かってではなく、カメラに向かってアイコンタクトを取るのはなかなか難しいことです。しかし、まったく別の方向を向いて話していたり、あるいはまた、カメラの横をじっと見つめてまるで原稿を読んでいるかのように見えてしまうことは、デリバリーの評価で損をしてしまいます。

(9) 英文を忘れてしまった時のために原稿を手に持つこと自体は、問題ではありません。しかし、ずっと原稿を読み続けるばかりで全くアイコンタクトを取らずにいると、いったい誰に伝えたい発言なのかが分からなくなってしまいます。特に、プレゼンのkeyとなる文は、しっかり覚えて、きっちりとオーディエンス(カメラ)に向かって訴えて下さい。

(10) ユーモアも、上手に使えばとても効果的ですが、これも自分たちのビデオをチェックしてみて下さい。漫才のような大きな動きばかりのものや、逆に、恥ずかしがって小さな声で話すだけでは、せっかくのユーモアが生かされず、もったいない結果になってしまいます。

(11) ほとんどのチームがプレゼン用ソフトを巧みに使いこなしている点は、さすが高専生と感心しました。論旨の展開とスライドがきちんと同期しており、とても効果的でした。
 ただし、スライドの使い方については、気をつけていただきたいことがあります。それは、スライドは「見せる」ものであり「読ませる」ものではない、ということです。画面全体が小さな文字で埋め尽くされたスライドは、それだけではまったく意味がありません。もし、強調したい部分があるならば、その部分をズームするなり、別スライドに大きな文字で書き出すなりして、オーディエンスに示して下さい。同じ理由で、オーディエンスが追いつけないほどのスピードでスライドを進めることも、無意味です。
 また、スライドの背景と文字の配色にも、十分な注意が必要です。複数のチームの発表で、まったく読めないスライドが何枚も見られたことは、とても残念でした。この点についても、録画したビデオを提出前にぜひ一度、チェックして下さい。

(12) 複数のチームで、顔が半分も隠れてしまうような髪型の女性スピーカーが見られました。流行なのかもしれませんが、せっかく工夫し、練習してきた表情が見えなくなってしまっており、とてももったいないと感じました。

総評は以上です。詳細については、各チームにお送りした審査員コメントを参照なさって下さい。

高専英語プレコンも第9回を迎えました。今回、皆さんからお送りいただいた予選審査用ビデオはどれも、私たち審査員の予想を大きく上回るものばかりでした。
今後も、全国の高専生のさらに積極的な取り組みに期待しています。